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事務局通信・別冊

文学作品展示即売会「文学フリマ」の事務局代表・望月の日記です。こちらは個人的な話題メインで書き連ねていきます。

西島大介『I Care Because You Do』のこと

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西島大介さんと言えば、文学フリマのマスコットであるパンダをデザインしていただいた方です。
文学フリマのパンダはまだ西島さんが『凹村戦争』で単行本デビューする前の、言うなれば“初期の仕事”ですが、西島大介らしさが凝縮されているようでとても愛着があります。

さて、そんな西島さんの新刊『I Care Because You Do』の話です。
写真の左側に移っているのは、この単行本をヴィレッジヴァンガード下北沢店で買った際にもらった栞(?)です。

このマンガは、90年代の3人の“神” ――庵野秀明、リチャード・D・ジェイムス、YOSHIKI―― に心酔した3人の男の子を主人公とした物語です。
1980年生まれで「エヴァンゲリオン」をシンジ君とほぼ同い年の頃に見た自分としては、端々で強いシンパシーを感じました。

一方で、これは誰にとっても、いけ好かないマンガと言えるかも知れません。
というのは、この3人の“神”をそれぞれ均等に愛している人はごくごく少数と思えるからです。
この神々の“信者”はとても排他性が強く、お互いに相容れない存在だ、というのが多くの方と同様に90年代を過ごしてきた私の印象です。
もしこのマンガに登場する3人の主人公のうち、誰かひとりに自分を重ね合わせて読むとすると、残りのふたりは“いけ好かないヤツ”に見えるわけです。

しかし、このマンガを通して読むと、あまり関わり合いのない3人の主人公が、同じ時代に生き、青春を戦い、傷ついていった同志に見えてきます。
なるほど。
よく「タコ壷化」などと言われる90年代のサブカルチャーを、こうやって表現したか。
そう膝を打った私なのでした。