レバ刺しを食べてきたわけだが
7月からレバ刺しが禁止になるということで、昨夜、下北沢の焼肉屋「肉人」(これで“ニクンチュ”と読む)に行ってきた。
刺し物とホルモンの種類が豊富で、赤身も絶品。
価格も良心的で、個人的には下北沢で一番の焼肉屋だと思っている。
この店ではテーブルに七輪を乗せる前に刺し物を頼むのが定番で、特に2㎝はあろうかという分厚いレバ刺しが有名だ。
その厚みはこの写真をみてほしい。
もしもコレを地下から出てきたカイジが食べれば「うまい!うますぎる!犯罪的だ-!」と叫ぶに違いないが、7月からは冗談ではなく本当にイリーガルなブツになってしまうのだから困ったものだ。
私自身はレバ刺しは好きだし、他の部位の刺し物もよく食べる(ちなみに上の写真で左に見切れているのはハツ刺しだ。これも絶品)。
だが、レバ刺しに限らず生食に抵抗のある人は多い。
生肉は子どもには食べさせてはいけないというのも当然だし、理解できる。
もともとレバ刺しだとかユッケといった類はある種のゲテ食に属するのであり、専門的な店が相応の手間を反映したしかるべき価格で提供し、オトナがそういった信頼できる店で楽しむものだろう。
そのような“民間の規制”で事故は防がれてきたはずだ。
「チェーン店だから安心」みたいな体裁で客を騙して、ずさんな管理のもと280円のユッケを提供するなんて言語道断。
しかし、それはその店に問題があるのであって、ユッケやレバ刺しそのものを法律で規制するのは過剰反応ではないかと思う。
ただレバ刺し禁止の一件で、いろいろなものが安価で食べられるようになったことに慣れすぎていたんだなと自戒もした。
食品業界の技術や流通の発展、あるいはデフレの進行というネガティブ面もあるけれど、お寿司などはもはや「安くて美味しいモノ」の代表格になりつつある。
回転寿司の一皿100円を当たり前と思っているけれど、ほんのひと昔前は生の魚はあんなに安く食べられなかったのだ。
そもそも「280円のユッケ」なんて直感的に“おかしい”“危ない”と思わなければいけなかったのではないか。
消費者としてそういった嗅覚を失わないことも大切だと思う。